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エゴの世界


TBSの筑紫哲也キャスターによればダライ・ラマが「自己を捨てよ。他人のために生きよ。」と説いてアメリカで人気があると言う。確かにアメリカのようにエゴの主張が激烈な国ではこのように諭すことも必要だし大きな意義がある。しかし、他人のための完全な自己犠牲を求めることは、誰に対しても要求できることではない。出家もすべての人間に要求することはできないし、釈尊もそんなことは要求していない。人間の自己実現の現世的な活動により人間の生存を支えている現代では特に不可能だ。完全な自己犠牲や山上の垂訓に従うことを要求するには現代社会では無理がある。そこで人間の自己実現と他者の幸福の調和を図る標準規範を私は主張している。
しかし、現代社会にも一種の自己犠牲を実践している人々がいる。それが主婦だ。彼女たちはキャリアを捨てて家庭を守り家族に幸福を配っている。そして、彼女たちの生き方は完全に自己を捨て去ったり、自己実現や自己の幸福を捨てる無理な生き方をしているわけでもない。主婦には主婦としての喜びがあるだろう。
キャリアより愛を選ぶ主婦を否定することは許されない。
しかし、現在の国家社会の主婦に対する評価には問題がある。
男性は主婦に支えられて仕事に邁進し、業績を上げると公に表彰・叙勲される。しかし、主婦は表彰の場に伴われることはあるが、ともに表彰・叙勲されることは無い。
救世国民同盟が政権を握れば男性をその業績により表彰・叙勲する場合、男性を支えた主婦である配偶者を共同して表彰・叙勲する制度を樹立し実施することを約束する。主婦にも男性と同じランクの表彰・叙勲を行い、男性と同じ経済的社会的利益を与えることを約束する。年金も同じ額を独立して与えるし、この共同表彰・叙勲をマスメディアが報道する場合には「〇〇××氏と△△夫人が受賞」というように二人並べて(男性の経歴なども報道する場合は主婦も同程度に)報道するように義務づける。
ただし、主婦の表彰の文句や勲章のデザインなどは多少、男性のものと違うことを了解されたい。その内容については女性の意見を聞きたい。
また、キャリアを選んだ女性がキャリアで達成した業績で叙勲・表彰されることは当然従来と変わりない。
救世国民同盟が政権を掌握した場合、以上のような男女共同表彰・叙勲制度を実施することを約束します。
男性にお願いします。
男性が良い仕事を為すには主婦の支えが必要なこと、主婦の協力が深いほど良い仕事ができることを率直に認めてこの制度を承認いただけるようにお願い致します。主婦への思いやりを発揮してください。
「小渕恵三首相と夫人の千鶴子さんに大勲位菊花大綬章が授与されました」と報道されても不自然ではないと思います。


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