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「アダムの呪い」
(ブライアン・サイクス著、ソニーマガジンズ刊)

女性に対して「イヴの七人の娘たち」、男性に対して「アダムの呪い」とくれば、著者がどのようなイデオロギーに立っているのか容易に確認できるでしょう。
さて、女性の本質は産む性であること、子宮とその付属器官に由来し、遺伝子には書かれていません。同様に、男性の本質は生殖器官の性質に由来し、その性質が遺伝子に書かれているのではありません。不安定性や攻撃性という否定的表現で言い尽くされるものではありません。積極性や移動性などと言い換えることもできます。不安定性は子宮という安定性をもたらす器官を持たずに、生殖器官が外部にむき出しになっていることに由来します。そして、攻撃性はその生殖器官を使って異性に精子を植え付けなければならないことに由来します。今まで人間は、言うところの不安定性や攻撃性を倫理道徳で縛って安定させ、別の方面へのエネルギーに昇華させてきました。こうして得られたエネルギーを使って、男性は科学・文学・芸術などを発展させてきました。倫理道徳を否定する勢力は男性の精力善用を否定する勢力です。
そして、人間は魂・精神・肉体からなり、人間の本質的性格は魂に由来します。遺伝子決定論は誤りです。



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