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フランス男女同数法案
フランスで男女同数法案が成立した。
候補者が同数ということなのでただちに男女の議員数が同数にはならないが、
明らかに女性に議員の地位を保障するための法案である。
男女は平等の存在であるという男女平等主義者の主張によるものであろう。
しかし、この法案は彼らの主張に矛盾している。
民主主義では議会は国民各層の部分的利益を代表することが望まれる。
しかし、男女が平等の存在であって差が無い存在なら、
男性の部分的利益、女性の部分的利益は存在しないはずだからである。
また、国民生活で現実には扱いが平等で無いから、
男女同数にするのだという反論は疑問である。
法内容と法適用が平等であれば、議員が男女同数でなくても国民生活での現実の平等は確保できるからである。
この男女同数法案は機会均等の原則に反し、結果の平等をもたらそうとする。
しかし、なぜ、男女の間でだけ結果の平等を求めるのか。
この疑問に答えるためには人種などのすべての区別において結果の平等を目ざさなければならないばずだ。
女性のためのアファーマティブアクションだという反論も疑問である。
アファーマティブアクションは地位につくための歴史的に形成された能力の不平等を是正して
機会均等を実質的に保障するものであるべきだが、
男女同数法案は平等の能力で目指すべき議員という地位そのものを保障するからである。
また、私は原理的に男女は平等ではなく対等だと考える。
以上の原理的疑問に加えて国家の政策としても疑問である。
女性よりも政治家に対して適性がある者が多い男性の政治への意欲を削ぐ。
女性議員は女性ということで協力しあう一方、男性議員は今までの経緯からお互いに角突き合わせるだろう。
その結果、女性が議会を支配することになる。すなわち、フランスは母性原理の国になるのである。
私の立場では父性が指導し母性がそれを支えるということになる。
フランス以外の大国は皆、父性原理に立っている。
果たして、フランスは他の大国に伍していけるだろうか。
フランスの没落は近いのかもしれない。
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